1教育功労者表彰
冒頭の写真は、上野壯吉が昭和3年(1928)11月19日に挙行された昭和天皇の即位式と大嘗祭を記念して「御大典教育功労者表彰」が行われ、その功績を認められて受賞したときの記念写真である。その上野の光栄を記念して、学友会誌「濤聲」(第32 号・昭和4 年2月15 日)の巻頭を飾っている。
旧制の福岡工業学校時代の生徒や卒業生にとって、厳しくも優しい親の如く、厳父と慈母の心をもって生徒の訓育にあたった教師として語られ慕われてきたという。幕末に生を受け6歳のときに明治維新を迎え、幕末から維新に掛け旧時代の初等教育を、後に陸軍教導団で近代教育を受けて、福岡工業学校創草二年後の明治31年(1898)に教師となり昭和6年(1931)に退職するまで、実に32年問の長きにわたって勤務した。国語・漢文、兵式体操の教師として、また寄宿舎舎監としてその厳格な指導は有名であった。しかしながら、生徒や卒業生からは慈父の如く親われ大学目薬※ 59と愛称されて伝説の教師として語られ慕われてきたという教師であった。