2生い立ち
毛利輝雄は、明治24年(1891)2月29日※ 3福岡県鞍手郡吉川村大字脇田(現
宮若市脇田)を原籍とする父・博次の長男として横浜市長住町9番(現横浜市西区みなとみらい)の官舎に生まれ、そして福岡で育った。実弟・岡村福男※ 4の言によれば、福岡の小学校時代には既に自動車に関わることを志し、そのため海外渡航の必要性を悟り、その準備として英語の勉強のために町にある教会の「バイブルクラス」に入った。その時に覚えた讃美歌を気分が優れているときには大声で歌うこともあったという。
福岡工業学校入学と卒業
毛利は、明治39年(1906)福岡工業学校機械科に入学するが、学年途上に病を経て27名の同窓とともに卒業したのは明治45年(1912)3月であった。このなかには、「列伝Ⅰ」の山喜多二郎太で述べたともに機械科卒の飯野憲一郎や後述する白石好夫がいた。