9大鵬丸乗組
城戸開内が最初に乗組んだ蒸気船は、判然としないが、蒸気船大鵬丸の乗船勤務の精励により明治元年(1868)2月、前年に大政奉還のあと旧福岡藩主黒田長溥より、その勤めを賞してであろう金百五十疋※ 20下賜されている。
大鵬丸は、福岡藩として初めてアメリカから購入された蒸気船で、後に環瀛丸とともに奥羽戦争に応じて朝廷の御用船として度々奥羽北越へ航海して藩兵や武器など諸物資の輸送に活躍することになる。この時期の諸藩は、政情の変化に対応するため海防意識が高まり、また人員物資の往来の増加にともない蒸気船を備える藩も増え、明治維新までにおよそ80隻※ 21の蒸気船が輸入されている。