13環瀛丸と2つの事件
太政官札贋造事件
明治3年(1870)春、福岡藩財政は幕末からの悪化に加えて、戊辰戦争の出兵費増大などの窮状打開のため、大参事ら藩首脳も巻き込んで、明治新政府が発行した太政官札の贋造といういわゆる「太政官札贋造事件」にが発生した。
偽造された貨、紙幣は藩船環瀛丸に積み込まれて、明治3年5月17日に福岡港を発船して江差や函館など北海の物資買付けに向かい各地で使用された。この事件が発覚して関係者は処分され藩知事黒田長知は明治4年7月に罷免のうえ閉門となった。回収された贋札は藩穀倉永倉(後福岡工業学校敷地)の正門前広場で焼却された。