22機関場の設備計画
これらの諸設備の計画・設計・製図・見積などは藤川・大橋両教諭が担当しているが、藤川の設備計画の草案メモ、大橋が描いたと思われるものなど数枚の図面が藤川文庫にある。
汽罐(ボイラ)
汽罐の諸元と使用材料の細目も記録されているので、表示などほぼ原文のまま示すことにする。 ※記号「ʹ」はフィートを「ʺ」はインチを示す。
Daim( 直径)5ʹ-0ʺ(1.523m)、length( 長さ)20ʹ-0ʺ(6.1m)、型式:Cornish boiler、Working pressure(使用圧力)55 lb.per sq.inch( lbs / in2、PSI)(379.2kPa)
使用ノ鉄板ハ凡テSiemens Martin Steel ヲ用イ側板厚3/8ʺ、四八ノ板周囲二枚接手二列鉸釘長仝板六枚継ギ一列鉸釘長トナス、鉸釘ハ径3/4ʺ最上スイッツル鉄ヲ用ユ、flueハ径2ʹ-6ʺ、厚(3/8)ʺ、四八ノ板5枚、同板五十板一枚ヲ用ヒ(ハギ合ワセ)継ギ焼付連接ハ凡テAdamsonʹs jointトナシ、参個ノGalloway tubeヲ付ス、鉸釘径(3/4)ʺ前仝鉄ヲ用ユ、連接用ringsハ厚(3/8)ʺ巾2ʹ-1/2ʺ鉄ヲ用ユ、Endplateハ厚1/2ʺ、5ʹ-6ʺ角ノsteel plateヲ用ヒ表面ハ三吋隅鉄ヲ以テ側板ニ鉸メ后部ハ側板ニ曲込ヲナス、前后に各三個ノGusset stayヲ直角鉄ヲ以テ取付リ、汽罐上部ニ径2ʹ-6ʺ 高2ʹ-0ʺノsteam dome一個及castiron manhole一個を附スル。
付属品として、4ʺStop valve、3ʺSafety valve、2ʺFeedcheck valve、2ʺblowoffcock、5ʺPressur Gauge、3/4in Water gauge、その他Firebars52 本、Whistleボイラ本体は、直径が1.523m、長さ6.1mで厚さ9.53mmの鉄板の円筒形で、両端面(鏡板)の厚さは12.7mmで作られ、この本体の中に軸方向に直径762mmの炉筒を取付けたものである。
水圧試験費用は別途としているので、完成後に耐圧試験をしているものと考えられる。
「列伝Ⅰ」の表紙見返しに示したが、「汽罐及煙突之図(部分)」としてあげておく。
蒸気機関
Daim of cylinder:11ʺ、Stroke of cylinder:18ʺ、Working pressure:50lb.per sq.inch、Revolution per minute:45、Diam of flywheel:5ʹ-0ʺ、Diam of Driving pulley:6ʺ × 3ʹ-0ʺ、( シリンダ径:279.4mm、ピストン行程:457.2mm、使用圧力:50 PSI、毎分回転数:45、フライホィール径:1,524mm、駆動輪巾×径:152.4×914.4mm)
煙突
ボイラー運転中燃焼する石炭が出す煙の排出を行う煙突は、黒煙を吐き出す姿が上る黒龍として旧校歌に歌われている。高さ60フィート(18.3m)、頂上内径2 フィート3インチ(68.5cm)で10 フィート(3.05m)につき3インチ(7.62cm)のテーパー(先細)を付けた煙突で、使われた煉瓦※ 58は、通常並形煉瓦と耐火煉瓦が使用され、前者は1枚1銭2厘の20,300個、後者は1枚4銭で3,200個が使用されている。