11省営バスの生産
昭和4年(1929)に鉄道省は、輸送量の少ない地域における、鉄道の補助・代行機関として、既設の道路を利用して自動車運輸事業を行うという意見を受けて、自動車交通網調査会を設置した。この調査会が、全国78路線の自動車交通網の答申を行い、鉄道省では自動車運輸事業を行うことを決定した。この時、使用する車両は国産自動車とする方針も決定されたが、これはようやく成長を始めた国内自動車製造業の振興という側面もあった。
標準型式自動車「ちよだ」号
瓦斯電は、このような要求に見合うバスを試作のうえ昭和5年9月にTGE-MA型を完成させ、昭和5年(1930)12月20日に省営自動車路線第1号として、岡多線※ 30の運行に合わせて使用され、この車は後に「ちよだ」と命名され、また石川島自動車製作所の製造したものは「すみだ」と呼ばれた。